後期は、前期の分析を踏まえて、実際に「シーンの演出と編集」に主眼を置いて実践を行いました。一篇の作品全体を制作するのではなく、あくまで「シーン」として、それがどんなシーンなのか、シーンの狙いと、その中でのキャラクターの感情、行動、視線などの動きを意識し設計しながら、アニマティクスを作成。
短い一幕シーン内で、ストーリーに陥りすぎず、そのシーンの狙いと空間・導線設計に集中できるよう、まず全員で様々な映画や小説、漫画などの物語から無作為にセリフの断片を抽出し、それらを任意に組み合わせることで「シーンらしきもの」を設定してみました。ただどうしてもそのシーン内で完結できるようなオチを設定したくなってしまうので、各グループそこで苦労したようです。
A班『和田建設 地鎮課』 伊藤鉄馬/奥山優一/船渡侍乃/渡部未来/加賀美帆
- シーン、全体構成のねらい
見えない霊的存在をエフェクトなどを使わずに、現象だけで表現すること。
B班 『パトランプ』 渡邊なつめ/ヨウ キ/池辺凛/川瀬愛斗/浜崎龍平
- シーン、全体構成のねらい
「赤い光だけが無害なんです…」というセリフを中心に、赤色以外の光を浴びると死んでしまう生物を宇宙空間で発見するというストーリーを構想した。研究室のシーン(現在)と月のシーン(過去・回想)の2つのシーンで構成し、実際は研究室で研究者と助手が2人で会話しているのみ。
C班『Bar–N-』 田中颯馬/樋口翔大/村上諒/武藤萌/佐藤美弥子
- シーン、全体構成のねらい
キャラクター同士の掛け合いがはしりとりで構成されているが、それらが意味深なやり取りに見えるように、キャラクターの見た目と組み合わせてセリフを選んだ。バーという狭い空間の中で、人物同士の位置関係が分かりやすく、感情を感じるようなカットを選んで配置した
D班『サバラン』 鈴木知寿/氏家朱里/本多亜海/ラ ディ
- シーン、全体構成のねらい
連続殺人鬼の女性が逮捕されることを悟り、降伏の意を込めて初めて本心を刑事に明かすシーン。特に女の建前と本心、刑事の冷静さなどキャラクターとしての違いや感情の変化が感じられるようにとこだわりを持った。